Southernpacificocean Medical Team 南太平洋医療隊
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【2024年6月の活動報告】
実地期間: 2024年6月12日〜6月30日
対象地域: トンガ王国(以下トンガ) Tongatapu本島
参加者: 河村サユリ(歯科医師)、内田千鶴(歯科衛生士)、内田実
〈トンガマリマリチーム〉
シシリア(歯科部長)、歯科医師:メレシボキ、ナアティ、スピ、歯科セラピスト:ナシヌ、ステラ、ルシア、アナセイニ、シナ、ヴァネッサ、パティセパ、グレース、アンティア(コンピューターオペレーター)、リオ(ドライバー)
活動内容: 小学校におけるフッ化物洗口事業の薬剤変更に伴い、使用法や管理の再指導の要望を受け、現地(トンガタプ本島)へ訪問しました。また、生活習慣病の改善する為(トンガでは糖尿病、心・循環器疾患が多い)歯周病治療の技術移転も行いました。
・小学校でのマリマリプログラムの現況視察。
・フッ化物洗口剤の使用に関する確認。
・VAIOLA国立病院歯科室にてアンケート調査、歯周病治療の技術移転を実施。

<マリマリプログラムの小学校巡回の視察>
小学校巡回の視察は計8校訪問しました(NGELE’IA、FANGA O PILOLEVO、St FRANCIS OF ASSISI PRIMARY SCHOOL、HALA’O VAVE、GPS POPUA、HOLAHA、ATELE、TONGA SIDE SCHOOL)。
マリマリプログラムでは週に1回全小学校を訪問し歯磨き指導、フッ化物洗口、NHKラジオ体操を実施しています。今回の巡回ではマリマリチームの到着が遅れた時に学校によっては開門されず別日に実施という学校や教師が先に歯磨きを進めて待っていてくれているという学校に立ち会いました。
トンガ歯科スタッフは学校に定期的にアンケートをとり、マリマリチームの対応や時間通りに来ているか等、教師の意見を聞いて改善しながら取り組んでいます。
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・マリマリプログラム(歯磨き指導)
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・マリマリプログラム(NHKラジオ体操)
<VAIOLA国立病院歯科室>
4月から新たに歯科スタッフが増員し、離島も含め現在50名が歯科に在籍しています。
1. フッ化物洗口のフッ化ナトリウムの試薬を日本で購入し輸送していましたが、日本では虫歯予防のために試薬を購入することが出来なくなったため使用することが困難となり、フッ化物洗口剤のミラノール®顆粒11%に切り替えました。コストはかかりますが安全に取り扱える医療用医薬品です。試薬は薬剤師が管理の下、1回量を計量し使用していましたが、今回7月からミラノール®の個包装になり歯科スタッフがそのままで管理が出来るようになります。その後調剤専用瓶に変更していく予定です。前回訪問時(2023年9月)にも説明をしていましたが、再度安全性の確認や使用法、管理方法を説明し、実践しながら指導をしていきました。歯科のトップである歯科部長だけでなく、今年度より入った歯科医師やセラピスト、専属のドライバーにも説明しました。専属ドライバーのリオはマリマリチームとして学校の生徒たちを整列させたり、率先してNHKラジオ体操のお手本となったりとチームに欠かせない一人です。
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・歯科部長へフッ化物洗口剤の説明
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・歯科スタッフのフッ化物洗口剤の作成の様子
2. VAIOLA国立病院歯科室の歯科医師とデンタルセラピストの14名の方にアンケートを実施したところ、歯周病検査は全員に実施しておらず、スケーラーは使っているがシャープニングはしていませんでした。歯周病検査の形式が統一されておらず、カルテが電子化されたこともあり、今後精査していく予定です。今回は新しく入局したデンタルセラピスト3名及び歯科医師1名に歯周病予防処置の技術移転を行いました。歯周病治療についての知識や経験があまりないため、特にキュレットスケーラーの種類や使い方、シャープニングを指導していきました。シャープニングの技術を会得するにはまだ時間を要すると思いました。
ほとんどの患者さんは痛みがあり当日来院する方が多いのですが、歯周治療が必要な患者さんには予約を取り、専用ユニットにて歯周病治療を実施しています。専用ユニットでは手書きのアポイント帳を継続して使用しており、患者さんの予約管理をしています。歯周病治療で来院する患者さんは月に100名前後ですが、予約をしても日にちがあいてしまうこともあり、来院しない患者さんもしばしばいました。まだまだ定期的に健診してクリーニングをすることは定着していませんが、歯科スタッフは歯周病について学びたいという姿勢を強く感じました。
2013年のマリマリプログラムパート2で共に歯周病治療の普及を行ったナアティ先生は、2018年に来日し九州大学口腔総合診療科に在籍後、2023年に学位を取得、トンガ王国に帰国しました。現在VAIOLA国立病院歯科室にて歯周病治療のシステムを改善しようと取り組んでいます。他にも歯内療法、矯正歯科を勉学した歯科医師もおり、歯科室の歯科医療体制は充実してきています。今後もより良い環境作りに貢献できればと思います。
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・歯周病治療の技術移転1 
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・歯周病治療の技術移転2

【2024年8月の活動報告】
実地期間: 2024年8月9日〜8月18日
対象地域: トンガ王国(以下トンガ) Tongatapu本島
参加者: 遠藤眞美、黒坂愛子、高本侑立子
トンガ歯科部長シシリア先生、他歯科スタッフ
活動内容: コロナ禍でトンガ訪問が長らくできませんでしたが4年ぶりにトンガ王国に訪問することができた遠藤眞美先生達3名はディサービス施設、マリマリプログラムの活動、障がい者歯科についてのセミナーを行いました。

<OTAディサービス施設>
歯科健診、フッ化物塗布、サフォライド塗布、歯科保健指導を行いました。
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・OTAディサービス施設にて
<小学校でのマリマリプログラムの活動>
歯磨き指導、フッ化物洗口、NHKラジオ体操を行いました。
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・小学校で歯科保健活動
<障がい者歯科について歯科スタッフにセミナー>
診療後に歯科スタッフに障害者歯科についてレクチャーを致しました。内容は特に「Going upstream」、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(Universal Health Coverage(UHC))について強調し話を致しました。
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・歯科室での障がい者歯科のレクチャー
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・歯科スタッフと共に
注:UHCとは「全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、支払い可能な費用で受けられる状態」

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