Southernpacificocean Medical Team 南太平洋医療隊

 

トンガ王国について

 


トンガ王国は、南太平洋に浮かぶ珊瑚礁の島国です。
大小170の島々が三つの諸島を形成し人口11万人の平和で安全な国です。
人々はフレンドリーで大きな体格、ラグビーをこよなく愛し、
日本でプレイしている選手も少なくありません。
また親日的で相撲部屋に入り稽古を積んでいる方もおり、高校では日本語を、
小学校ではそろばんを習います。
地理的には日付変更線のそばにあり日の出を早く迎える国でもあります。
日本からは直行便はないのでフィジー経由か、ニュージーランド経由をして
トンガの首都トンガタブにつくことができます。

 
トンガの歯科現状

トンガの人々は糖尿病を患う方が多く体格は非常によいが、反面肥満の方もよく見かけます。
公衆衛生学の観点から改善が望まれ、むし歯等歯科疾患にもその影響が認められます。
噛むことの大切さ肥満、糖尿病、歯周病との関係からアプローチが重要だと思います。

本島であるトンガタブのバイオラ病院を中心に、歯科医師を中心として十数名の、
デンタルセラピスト、デンタルナース等が歯科医療に従事しています。
Dental Therapistと言う 南太平洋だけにある制度の資格を持つ従事者もいますが、
歯科医療の状況は不十分で、近年齲蝕・歯周病が増加傾向にあり、援助活動を必要としています。

1998年より 南太平洋医療隊の活動はある程度成果をあげてきています。
歯科診療の内容は抜歯が中心で、日本では当然保存治療するはずの
永久歯を抜歯する場面に遭遇します。乳歯のむし歯は放置されていています。
トンガには、デンタルセラピストという職種が存在しますが、
歯を抜く事と簡単な処置のみを行います。
また、病院歯科室の設備不足・医療器具・機材の不足と保存修復療法・
予防歯科・小児歯科への理解不足があります。


トンガ王国では、学校歯科保健はほとんど行われていないのが現状でした。
私達は バイオラ病院の歯科医師に呼びかけ幼稚園・小学校で学校歯科健診・
保健活動を開始し、健診・歯みがき指導・フッ素洗口を行いました。
その結果、むし歯の罹患率が高いにもかかわらず、 むし歯の処置率は低く悪い状況でした。
2006年度末で幼稚園6施設、小学校40施設で児童約6000名を対象に実施されています。
私達が調査した食事調査の結果は、主食がいも類から穀類(パン)
と菓子を組み合わせた食習慣へと移行を示しました。
トンガの小学校では齲蝕が多いにもかかわらず処置率が低く予防を中心とした
歯科診療システムと地域社会を基盤とした学校歯科保健の実践が必要であり、
口腔衛生指導及び処置を考えていかなければなりません。

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