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2004年度の活動報告
トンガにおける歯科医療


・トンガの人口は約11万人で、 歯科医師の比率は8000人に対し一人で少なく、歯科医療のシステムはオースト
ラリア・ニュージランドに距離的に近く大きな影響を受けています 。
・近年トンガでは、むし歯・歯周病が増加しています。
・歯科医師10数名・デンタルセラピスト10数名・歯科技工士1名・デンタルナース10数名が働いています。
歯科医師をスカラシップで育てても国外に出てしまい、なかなか国に定着しないという問題点があります。慢性的な歯科医療のスタッフ不足です。
首都ヌクアロファ(本島)を中心に、ハーパイ諸島、ババウ諸島にはそれぞれ病院があります。医療は国が供給しているため無料で受診できますが、義歯制作や保存治療、処置によっては有料であり、抜歯か保存処置かとの選択時は抜歯を選んでしまう欠点も有ります。

今年度の計画概要

・今年度はトンガタブ本島・ハーパイ諸島のリフカ島に行き、歯科診療・歯科保健活動を行いました。
・昨年度まで歯科健診を中心にし、その際、むし歯を歯面別に、歯肉炎はWHOの規格に基づき審査しました。今年度は歯科健診を中心に行わず、むし歯を減少させる為、保健指導を中心に活動をしました。
・歯科保健活動は、小学校・幼稚園における紙芝居での予防教育をし、歯垢染色(レッドコートでの染め出し)、フッ素洗口、歯ブラシ指導等を行いました。
・昨年度までの歯科健診の結果に基づき、ハイリスクの児童をチェックし、ハイリスク児童のむし歯が減少するよう計画を立案しました。
・紙芝居、歯ブラシ指導用媒体・予防教育用チラシ、ぬりえを事前に作製して持って行き、現地で使用・配布しました。
・隊員の構成は、歯科医師12名、歯科衛生士6名、歯科学生4名です。
・2000年よりトンガの歯科医師が、隊員の家庭にホームステイし日本大学松戸歯学部の研究室にて研鑚に励んでいます。
☆☆参加メンバー☆☆
本島   河村他11名
リフカ島 清水他6名  

トンガでの活動場所

・本島の小学校 11校
(多い小学校で393名・少ない小学校で68名)
幼稚園 2校
バイオラ病院歯科室

・リフカ島の小学校 3校
幼稚園 3校
リフカ島診療所


幼稚園・小学校での活動の流れ
紙芝居:フッソマン

紙芝居:フッソマンでの歯の講話です。
歯科保健指導

媒体を用いての歯科保健指導です。
染め出し
レッドコートによる染め出しです。
ブラッシング指導

子供達と輪になり、歯磨き粉をつけてブラッシングします。

フッ素洗口

 フッソ溶液で約1分間のブクブクうがいをしている様子です。

2004年度の活動の結果及び考察

 ・今年は例年より寒く雨が多かったり季節はずれのストーム等悪天候のため、すべての学校で歯科保健活動が行えませんでした。
・ 一日に訪問する小学校が多いのでスケジューにゆとりを持たせた方が良いと反省する点もありました。
・昨年までの歯科健診の結果から、リスクの高い児童に対しシーラント・オーラルクリーニングをトンガの予防チームが実施していました。
・紙芝居「フッソマン」・予防教育チラシ・予防教育ぬりえの作製は大変ではありましたが現地では好評でした。
・今回はレッドコート使用してブラッシング指導を実施しました。ブラッシングはトンガでも習慣づけられており、コップ・歯ブラシも全員が持っていました。歯磨き粉も使用する習慣も根付き始めています。
・トンガ人及び歯科スタッフに歯を抜くのではなく、なるべく保存治療・PMTC(歯のク リーニング)の処置を優先する事が大事だと啓蒙・啓発するように伝えました。


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