Southernpacificocean Medical Team 南太平洋医療隊
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2011年度の活動報告
【2011年2月 南太平洋医療隊 活動報告書】

実地期間:2011年2月2日〜2011年3月1日
対象地域:トンガ王国(Tongatapu本島・HA’APAI諸島・Eua島)
参加者: 河村サユリ(歯科医師)   飯田好美(歯科衛生士)

活動報告

トンガタプにて活動(2月8日〜25日)

乳歯う蝕予防をターゲットとした未就学児童のための歯科保健プログラム (歯科保健講話、歯磨き指導、歯科検診、フッ化物塗布、SAFORIDE塗布)を保健センターや幼稚園でおこなう。
参加者には歯ブラシを配布し歯磨き指導時にも使用するため、フッ化物塗布用の歯ブラシは別に用意し使用後の歯ブラシは洗浄、消毒、乾燥し再使用をした。う蝕多数保持者などのフッ化物塗布の際、血液が付着してしまった歯ブラシは衛生的に良くないため現地スタッフと話し合い廃棄することに決めた。
SAFORIDE (う蝕進行抑制剤)塗布時にはアプリケーターを使用。
歯科検診時に児童を間違えてしまわないように番号札を作成。そのため時間短縮ができた。
歯科保健教育マニュアルに基づいて作成した媒体を使用して歯科保健講話はDental officerが中心に歯磨き指導はDental Therapist がおこなった。
Fasimoe kinder gartenでは幼稚園教員による講話がおこなわれた。園児達はリラックスして話を聞いているようにみられた。
現地歯科スタッフ:Dental Officer;3名、Dental Therapist;3名
実施場所:Maa'loa kinder garten、Fasimoe kinder garten、Vaini Health Center、Mua Health Center、Good Samalitan clinic 、Hoosi Tea HALL(Fua'amotuHealth center) 、Kolonga Health Center、Kolovai Health Center 、Houma Health Center、Ikunamo Kalaisi kinder garten
活動日数:9日間
対象者:510名

MALIMALIプログラム:Lavengamalie、Havelu、Halaovave小学校。
Halaovave小学校ではフッ化物洗口器材を学校で管理していて歯磨き指導時には学校教員が歯磨き指導終了と同時に歯科スタッフに受け渡していた。
MALIMALIプログラムはDental Officer ;1名、Dental Therapist;5名、運転手の7人で構成されていて東西で2チームに別れ活動している。※2011年2月現在

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・Dental Officerによる歯科講話 ・Dental Therapistによる歯磨き指導
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・活動の様子 ・歯科スタッフによる活動準備
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・マリマリプログラム ・番号札の活用

HA’APAI諸島にて活動(2月14日〜17日・)
・ 乳歯う蝕予防をターゲットとした未就学児童のための歯科保健プログラム (歯科保健講話、歯磨き指導、歯科検診、フッ化物塗布、SAFORIDE塗布)をおこなう。
現地歯科スタッフ:Dental Officer;2名、Dental Therapist;3名
実施場所:Ha'afkhenga/Faleloa・Ha'ateiho Su' ・Lotofoa/Fangaleounga・KOULO/HOLOPEKA ・PANGAI ・SIAI FALE HUFANGA ・Ha'atou 、Fotua Health Center 、HIHIFO Center (Hospital)、Piloleve kinder garten Clinic
活動日数3日間
対象者:143名
HA’APAI諸島では連日の悪天候や冠婚葬祭が重なり参加者があまり集まらなかったが参加者の親による呼びかけや参加者本人達が友人を連れて来たりし現地の人々との連携ができた。
またSIAI FALE HUFANGA集会所では就学児童(MALIMALIプログラム対象校の生徒)の参加もあり永久歯に対してもう蝕予防処置をおこなうことができた。
MALIMALIプログラム:HIHIHO,PANGAI小学校。
小学校では家庭による歯ブラシや歯磨剤の供給にばらつきがあり買えない家庭の子供がいまだに多いように感じた。今後、歯ブラシや歯磨剤の配給の仕方について現地歯科スタッフと話し合いが必要だと思われる。

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・歯科医師による歯科講話  ・口腔内診査の様子
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・口腔内観察 ・SAFORIDE塗布

2月19日(土) オーラルフェスティバルを開催。
歯科検診、個別歯磨き指導、フッ化物塗布、SAFORIDE塗布をおこなう。
オーラルフェスティバルは例年行っているが今回は現地歯科医師が不参加だったため検診はDental Terapistにより行われた。
参加者には歯ブラシとオーラルケアより寄贈してもらったキシリトール入りガムをわたした。
また小学校高学年になると歯磨き指導時に周囲の様子が気になるせいか手鏡で自分の口腔内を観察してもらう時にあまり口を開かない子供が多く感じた。
参加者:90名。
現地歯科スタッフ:Dental Terapist;4名
90名の参加。

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・歯科検診 ・歯磨き指導
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・SAFORIDE塗布 ・フッ化物塗布

2月21日(月) 保健省大臣へ表敬訪問。
Uliti・Uata新保健省大臣に南太平洋医療隊の今までの活動や今後の活動について話した。また同席したディレクター(医師)は以前から今までの活動を知っていたため今後の活動内容についても熱心に聞いてくれていた。

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Dental Officer:3名
Dental Terapist:2名

Eua 島にて活動(2月22日〜24日)
の歯科保健プログラム (歯科保健講話、歯磨き指導、歯科検診、フッ化物塗布、SAFORIDE塗布)をおこなう。
実施場所:HOUMA/Ha'alaloki HALL、Heilala Kaufanna/Mu'a HALL、Kolomaile kinder garten、SITOAKI kinder garten
活動日数:2日間
参加者:96名
現地歯科スタッフ:Dental Officer;2名、Dental Terapist;4名
MALIMALIプログラムを実施。
幼稚園ではフッ化物洗口がきちんと継続されていた。
病院にて医師と看護師のチーフとJICAボランティアスタッフにも参加をしてもらい今後のMALIMALIプログラムの活動実態について話し合いをおこなう。

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・フッ化物洗口継続中! ・オーラルケア(株)より寄付された
キシリトールガムを贈呈
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・ミーティングの様子

実施場所 健診者 SAFORIDE塗布者 フッ化物塗布者
Tongatapu 510 360 508
Haa'pai 143 97 143
Eua 96 78 96
TOTAL 749 535 747

歯科保健教育マニュアルの作成。

歯科スタッフと現地にて編集委員会(編集、構成)を開催し歯科保健教育マニュアルの最終版の作成をおこなう。今回、歯科保健教育マニュアルにのせる写真を現地の子供に協力してもらい撮影。児童・園児にも導入されやすくした。またマニュアルの一部に予防やフッ化物に関する紙芝居を作成、掲載することにより教員が児童、園児に教育しやすくし歯科健康教育プログラムの強化につなげる。

【2011年7月 南太平洋医療隊 活動報告書】
実地期間: 2011年7月25日〜2011年8月26日
2011年7月27日〜2011年8月25日(トンガ滞在日)
対象地域: トンガ王国(トンガタプ本島・ハーパイ諸島)
歯科医師: 河村サユリ 小林清吾 竹内麗理 遠藤眞美 仁平暢子
医師: 内野和顕
歯科衛生士: 原 幸子  飯田好美
活動報告

1.マリマリプログラムの向上
1)幼若第1大臼歯や乳歯う蝕予防をターゲットとした未就学児童のための歯科保健プログラムの実施
トンガタプ本島、アタタ島、ハーパイ諸島のヘルスセンターや幼稚園で歯科保健講話、歯磨き指導、歯科検診、う蝕進行抑制剤(SAFORIDE)塗布、フッ化物塗布を実施した。

  • 予め実施日及び内容を記載したポスターを作製しヘルスセンターに掲示した。
  • 受診者には番号札を配布し受診をスムースにした。
  • 活動の準備、後片付けはデンタルセラピストに初めに指導し積極的に関与した。
  • ヘルスセンターに幼稚園から園児がクラス単位で来所した。
  • 歯科医師及びデンタルセラピストは、歯科スタッフ用マニュアル、教員用テキストから資料を抜粋し、歯科保健講話や歯磨き指導時に用いた。
  • ハーパイ諸島は二名体制となり、マリマリプログラムは順調に実施されている。
  • ババウ諸島に派遣されているデンタルセラピスト(サロテ)はマリマリプログラムを実施している。小学校教員の評価も高く、マリマリプログラムの体制も確立できている。本島の活動にマリマリチームへの助言と歯科スタッフ能力向上のために参加した。

トンガタプ本島
実施場所:Mua Health Center、Vaini Health Center,Pea(good Samalitan clinic)、Hoosi Tea HALL(Fua'amotuHealth center) 、Kolonga Health Center、Kolovai Health Center 、Houma Health Center、nukunuku Health Center(Ikunamo Kalaisi kinder garten)、faci clinic、Fasimoe kinder garten、PAEAHE‘OFA kinder garten
受診者:604名
歯科スタッフ:歯科医師2名(シシリア、アファ)、デンタルセラピスト2名(ステラ、サロテ)
ハーパイ諸島
実施場所:FALELOA hall、LOTOFOA hall、FOTUA hall、KOULO/HOLOPEKA 、PANGAI CO hall、HAATOU AVILA hall、HIHIHO niu’ui Hospital
受診者:179名
歯科スタッフ:歯科医師3名(シリロ、シシリア、アファ)、デンタルセラピスト4名(ステラ・エラシー・アナセイニ、ネナセ)

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・ポスター掲示 ・歯科医師による講話
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・デンタルセラピストによる講話 ・歯科検診の様子
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・SAFORIDE塗布 ・フッ化物歯面塗

2)本島沖合のアタタ島の小学校
Atata小学校ではマリマリプログラムを実施。生徒数22人。
小林清吾先生が歯科検診を実施(受診者14名)し口腔内状況を把握。
未就学児童にたいして歯科検診、SAFORIDE塗布、フッ化物塗布を実施した。
フッ化物洗口の管理ノートを渡し記入をする様指導した。
歯科スタッフ:歯科医師2名(シシリア、アファ)、デンタルセラピスト3名(サロテ、ステラ、エラシ)

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・歯磨き剤の配布 ・上級生もお手伝い♪
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・適量チェック! ・ブラッシングタイム♪
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・デンタルセラピストによるアシスト ・フッ化物洗口タイム♪

2.ワークショップの開催
1)ランチョンセミナーの開催
医師が主催で開催するランチョンセミナーにおいて、オセアニア地区のWHO歯科責任者マレー・トムソン先生はニュージーランドにおける歯科システムについて講話。
参加者:21名(医師、看護師14名、歯科スタッフ7名)
ニュージーランドにおける歯科システムについて:ニュージーランドの幼稚園、小学校における歯科スタッフは現在では予防推進の役を担っており、人々の健康に寄与していることを講話された。

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・マレー・トムソン先生によるランチョンセミナーの様子。

2)歯科スタッフを中心とするWork shopにおいてマレー・トムソン先生、隊員の内科医師 内野和顕先生は講師として講話
マレー・トムソン先生はニュージーランドにおける歯科システムについて講話をし、内野先生はトンガ人に多い生活習慣病 糖尿病と高血圧について講話をした。講演の資料を病院で活用する様寄贈した。
参加者:29名(医師、公衆衛生看護師13名、歯科スタッフ16名)
3)教育省関係者を対象としたWork
shopにおいてマレー・トムソン先生、隊員の内野先生、小林清吾先生、歯科医師アファによる講話。トンガタプにおけるマリマリチームのデンタルセラピストはマリマリプログラムの現況を報告
小林先生はフッ化物の予防効果を卵と炭酸飲料を用いた実験で証明し、参加者は一層の理解をし、トンガでよく飲まれる飲料のPHと砂糖の含有量を示した一覧表が好評で、希望者に配布した。楽しそうな一面もあり会場内の雰因気が明るくなったようにも感じられた。参加者に対して歯科スタッフによる補足説明があり参加者は理解している様子だった。
歯科医師アファによる講演では4月からトンガタプ本島ではヘルスセンター、幼稚園に携わる予防歯科チームが、週1回木曜日に幼稚園を訪れ歯科講話、検診、SAFORIDE塗布、フッ化物塗布を実施している内容を伝えた。
歯科スタッフ:歯科医師2名(シシリア、アファ)、デンタルセラピスト3名(ステラ、エラシ、ティオラ)
参加者:16名(教育省関係者6名、歯科スタッフ10名)。

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・Work shopの様子

実験内容:卵の殻の半分にフッ化物を塗布し、洗い流す。炭酸飲料に浸しフッ化物を塗布した方としてない方の発泡の状態の違いを観察する。

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・用意するもの(コップ、炭酸飲料、卵、歯ブラシ、フッ化物) 
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Q、フッ化物を塗布した側はどちらでしょうか!?

間食指導
トンガでよく飲まれる飲料のPHと砂糖の含有量を示した一覧表

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4)幼稚園協会におけるワークショップ
歯科医師アファは幼稚園協会において、乳歯う蝕予防をターゲットとした未就学児童のための歯科保健プログラムを週1回 幼稚園を訪れて実施していることを説明した。
教員15名、青年海外協力隊2名の参加。

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3.オーラルフェスティバルの開催(2回開催)
歯科検診、保健指導、フッ化物塗布、SAFORIDE塗布をおこなう。
内野先生は身長、体重測定、血圧、BMI測定をおこない生活習慣について個別指導をした。
新たな取り組みとして学校に歯ブラシを持っていく習慣を児童に定着させるためにノート、鉛筆、消しゴム、歯ブラシをマリマリセットとして販売。売上金をマリマリプログラムに役立てるよう寄贈した。
また白坂じゅんこ氏(青年海外協力隊員ICU所属看護師)の参加もあり現地の受診者とのコミュニケーションも問題なく進んだ。
歯科スタッフ:歯科医師3名(シリロ、シシリア、アファ)、デンタルセラピスト5名(サロテ、ステラ、エラシー、ナシヌ、サモア)、デンタルセラピストトレーニー2名(デビタ、シナ)
歯科検診受診者:102名、参加者:136名
血圧、BMI測定:60名

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・血圧測定の様子 ・検診の様子
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・マリマリセット(ノート、鉛筆、消しゴム、歯ブラシ)を持って学校へ行こう!

4.編集委員会の開催
教員用テキスト、生徒用テキストについて編集会議を行い、校正、印刷、配布に伴う教員に対するWork shopの開催を現地スタッフが実施することを協議した。
参加者:教育省カリキュラム委員2名(オリヴィア、マケレタ)、歯科スタッフ:歯科医師5名(シリロ、サリセ、アマナキ、シシリア、アファ)、デンタルセラピスト2名(ステラ、エラシ)

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・編集会議の様子

5.保健省Uliti・Uata大臣を 表敬訪問
今回の活動内容について説明。
テレビ取材を受ける。

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出席者:河村、小林、内野、仁平、竹内、遠藤、マレー、原、飯田
シリロ、シシリア、アファ、ステラ、エラシー

*まとめ

実施場所 健診者 SAFORIDE塗布者 フッ化物塗布者
Tongatapu 604 466 582
Haa'pai 179 133 179
TOTAL 783 599 761
【2011年10月 南太平洋医療隊 活動報告書】
1. 派遣期間
Group 1: 2011年10月23日〜11月18日
河村サユリ(歯科医師)・鈴木千鶴(歯科衛生士)
Group 2: 2011年11月11日〜11月28日
大塚史織(歯科衛生士)・村上瑛香(プロジェクトオフェィサー)
Group 3: 2011年11月18日〜11月28日
河村康二(歯科医師)・飯田好美(歯科衛生士)・今村みちる(歯科技工士)
2. 各諸島での活動及び健診について

@エウア島(2011年10月27日〜28日)

10月27日(木)にJICA主催のそろばん大会が開催され、小学校は休校になり、28日にエウア島全小学校6校の検診を実施した。実施生徒数は、1年生135名、6年生133名の計268名であった。
※エウア諸島の歯科室(デンタルセラピスト セイニ)へ渡したもの
フルオールゼリー×2、サホライド×1、アプリケーターブラシ×100、小児用歯ブラシ×180

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写真エウア島での検診状況 そろばん大会

Aハーパイ諸島(2011年10月31日〜11月1日)
7校で検診を実施。生徒数は1年生105人、6年生79人の計184名であった。
ハーパイ諸島ではマリマリプログラムが概ね順調に実施されているため、教員の協力体制も良くスムーズに実施した。検診におけるう蝕に対する基準についても共有するように確認した。
検診用器具の管理を1年生と6年生に分け、1年生用の器具は日本人歯科スタッフが行い、6年生用の器具はトンガ人歯科スタッフが行うという体制を採った。器具の管理を分担で行う体制にしたことにより責任感も生まれ、器具を大切に扱い自立して検診できる体制に移行できる。
※ハーパイ諸島の歯科室(デンタルセラピスト ネナセ)へ渡したもの
フルオールゼリー×1、サホライド×1、アプリケーターブラシ×100、歯ブラシ×100、アクアフレッシュ×20

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検診とマリマリプログラムの様子

Bババウ諸島(11月3日〜11月11日)
32校の小学校で検診を行った。多くの島々で構成されているため、地理的状況により小学校への訪問に日数を要する。1年生は369名、6年生は381名の計750名である。
G.P.S Tu’anukuではボランティア団体ピースコープから寄贈された大きすぎる歯ブラシ(約4cm)を使用している。アメリカから寄贈された歯ブラシを使用していた。デンタルセラピストが大きすぎるとの指摘をした。寄贈された歯ブラシは使用期間を終えればその任を終える。必要であれば正しい歯ブラシの選び方を教員用歯科保健マニュアルに付け加えることも出来る。
プログラムに概ね教員が協力的な小学校では児童の口腔清掃状態も良好と思われる。
※ババウ諸島の歯科室(デンタルセラピスト サロテ)へ渡したもの
フルオールゼリー×2、サホライド×2、アプリケーターブラシ×200、小児用歯ブラシ×300、アクアフレッシュ×40

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ババウ諸島での活動の様子

Cトンガタプ本島(11月14日〜11月26日)
トンガタプは離島に比べ広域のため、東部地区・西部地区・中央地区と3つの区域に分けて検診を実施した。
東部地区19校;1年生299名、6年生307名、計606名の検診。
西部地区17校;1年生201名、6年生194名、計395名の検診。
中央地区12校;1年生445名、6年生435名、計880名の検診。

  • 中央地区の生徒は、齲蝕の差が個人ではなく学校ごとで差があるように思われた。
  • 6年生の永久歯のう蝕は軽減されている
  • 1年生の永久歯のう蝕は少ないと思われたが乳歯のう蝕は多かった
  • 全体に歯みがき状態が向上していたが、担任教師の協力が大である。
  • トンガの小学校は11月中旬より夏季休暇の体制(クリスマス)になるので検診活動には考慮が必要である。
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小学校の敷地内にある売店 検診 トンガマリマリチームと

一部の小学校では、敷地内に売店が設けられ、生徒たちが安価なお菓子やジュースを比較的簡単に手に入れることができる環境にある。

3. 教員用歯科保健テキスト、児童用歯科保健テキストの完成

トンガ人歯科医師3名シリロ、シシリア、アファと児童用歯科保健テキストの編集会議を開催した。図解を増やし、説明をわかりやすい言葉に言い換え、出来るだけ少ない枚数にまとめるなど、児童の理解が容易になるよう配慮した。その後児童用歯科保健テキストの印刷のため、トンガ人歯科医師と印刷会社に700部発注した。教員用歯科保健テキストは300部印刷完成した。帰国後、児童用歯科保健テキストはトンガ人歯科医師により完成した印刷物を受領し教員用歯科保健テキストと共に保管されている。
テキストは来年2月から始まる新学期より教員に活用の仕方を伝える為、ワークショップを開催しカリキュラム委員会の承認の基、4年生の授業で使用される予定である。

4. セレモニー開催

JICAと共同で実施している「トンガ王国における学校歯科保健活動向上の為のプログラム」の評価と検証を行い、その成果を確認する。評価と成果を表すためセレモニーを開催した11月24日(木)。
プレス取材の下、在トンガ日本大使を始め職員、JICAトンガ事務所長及びスタッフ、保健省スタッフ・教育省スタッフが参加し開催された。プログラムの実施状況、成果が発表されその評価と今後についてのトンガ側からの要望が話された。

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セレモニーの様子 テレビ局の取材を受ける河村代表とシリロ歯科部長
  • 小学校のマリマリプログラムはトンガ歯科スタッフにより実施され自立したプログラムとなっている。これにより第一大臼歯を除く永久歯むし歯は激減している。第一大臼歯を守る為の乳歯むし歯へのアプローチがより強固となる事が必須である。
  • 幼稚園のマリマリプログラムは乳歯のう蝕予防と幼若永久歯のう蝕予防の重要性を理解し実施されている。
  • ヘルスセンター、町、村の集会場での保護者を含めた歯科保健プログラムのシステムの構築とプログラムの継続について医科との連携を強めていくことが重要となる。
  • 前保健省大臣タンギ医師はプログラムの良き理解者で、この歯科保健プログラムを大洋州WHOで紹介し、他の南太平洋諸国に広めたいとの意向がある。2009年に作成した報告書を基に、2010年の大洋州WHOで現況を紹介している。
  • 従来、問題である肥満、糖尿病、生活習慣病等と歯科保健の問題について、これらは歯科の観点からもむし歯と並ぶ二大疾患である歯周病を重症化させる為見過ごすことが出来ない。また逆に歯周病治療がこれらの疾患の改善に繋がるという見解もあることから、医科との連携で解決策を見いだせる。
  • トンガ人歯科医師シシリア, アファに、マリマリプログラムに関する質問調査を行なった。
    評価はおおむね良く、マリマリプログラムによる齲蝕予防の効果が非常に大きいと感じていること、また乳歯齲蝕だけに止まらず、妊産婦の歯科保健についても実施したいと指摘をしている。
5. 救急車の寄贈に関する調査

トンガ王国における各地域の救急車に関する実態調査を行なった。
バイオラ病院で、活躍する寄贈した救急車(写真5,6)

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南太平洋医療隊した救急車1 南太平洋医療隊した救急車2

各地域、諸島での実態調査によりバイオラ病院以外のトンガタプ地区の新しく完成したヘルスセンターと各諸島の救急車は機能しておらず新たな救急車の配備寄贈が必要と考えられた。

  • Tongatapu East Area:Mu’a Health centre (Vahe Hahake)、Vaini Health centre (Vahe Hahake)
  • Tongatapu Western Area:Nukunuku Health centre
  • Eua Island: Niu’eiki Hospital
  • Ha’apai Islands: Niu’ui Hospital
  • Vava’u Islands:Prince Wellimgton Ngu Hospital (Neiafu)

5) オーラルフェスティバルを開催11月26日(土)。

フリーマーケットの一部のスペースを借り、フリーマーケットの来場者に対象に口腔内検診、歯磨き指導、フッ化物洗口体験を実施した。参加者は100名。 児童の口腔内の状態は年齢が増すに従い口腔衛生状態は良くマリマリプログラムの成果を確認できた。
日本人歯科スタッフはアシストしトンガ人歯科スタッフが主体的に運営、実施した。

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オーラルフェスティバル実施風景

6) 障害者施設の歯科保健について

  • OTA(デイサービス施設)とAlonga(生活ホーム)がありOTAにはJICA協力隊の看護師が勤務している。AlongaではサポートはないがOTAへの通所者が数名いる。南太平洋医療隊は訪問時、歯科保健サポートをしている。OTAでは隊員指導の下、2,3週に1回の割合でトンガデンタルセラピスト が訪問し、歯科保健サービスを実施している。歯ブラシの交換も3ヶ月に一度ほど行われる。約50名程の在宅の要支援者の巡回サービスは2、3ヶ月に一度行われているが口腔ケアは実施されていない。
  • ネゲレイア小学校の特殊学級はマリマリプログラムに参加している。

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